「初代秋翠」の博物画
月刊錦鯉の特集に、1914年に新潟から大正博覧会に出品された錦鯉の中に含まれていた秋翠の「博物画」が紹介されています。
画像:月刊錦鯉(錦彩出版)より
秋山吉五郎氏が、前年の1913年に舶来のドイツ鯉と浅黄を掛け合わせて作出したばかりの当時の新品種で、つまりは初代の秋翠ということになるのでしょう。
この時期に大正博が行われ、錦鯉が紹介されるきっかけになったというのもすごいですが、この時の報告書として作成された「絵形帖」や「博物画」は当時の錦鯉の姿をいまに伝える貴重な一次資料だといえます。
皇室御買上げとなり三の丸尚蔵館所蔵となった「鯉」
ちなみに、1921年の第3回帝展で、福田平八郎の鯉画が入賞し皇室お買い上げとなったのが、大正博の7年後のことですので、この時期鯉という存在が大きくクローズアップされていたのかもしれませんね。