~鯉太郎便り~

“錦鯉のふる里” 長岡山古志より最新の有益情報をお届けいたします

藤次郎さんの山吹黄金

山古志の山中(やまなか)にある山吹黄金の名店 藤次郎さんにお邪魔しました。

山吹の源流は富山の宮島養魚場の血筋のようですが、和泉屋さんに親鯉を分けたり、逆に中越地震でだいぶ死なせてしまったりした際に分けてもらったりしていますので、同血統といえるかもしれません。

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私が藤次郎作出の山吹黄金に惹きつけられたのは、古い業者さんの中で「山吹は藤次郎さんのものがいちばん良い」という声を多く聞いたからです。また2019年の愛鱗会国際展の特別賞でもいくつか受賞していたのも知っていましたし、ある業者さんの鯉をヤフオクで出させてもらった時も、山吹ばかりの生け簀に品評会で勝てそうな鯉が何尾もいました。

さほどメジャーでない生産者さんの中に、こういった職人気質で伝統を重んじる匠の技があるのが山古志のすごいところかなと思ったりもします。

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「初代秋翠」の博物画

月刊錦鯉の特集に、1914年に新潟から大正博覧会に出品された錦鯉の中に含まれていた秋翠の「博物画」が紹介されています。

f:id:KOISHOWJP:20210430174904j:plain画像:月刊錦鯉(錦彩出版)より

秋山吉五郎氏が、前年の1913年に舶来のドイツ鯉と浅黄を掛け合わせて作出したばかりの当時の新品種で、つまりは初代の秋翠ということになるのでしょう。

この時期に大正博が行われ、錦鯉が紹介されるきっかけになったというのもすごいですが、この時の報告書として作成された「絵形帖」や「博物画」は当時の錦鯉の姿をいまに伝える貴重な一次資料だといえます。


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皇室御買上げとなり三の丸尚蔵館所蔵となった「鯉」


ちなみに、1921年の第3回帝展で、福田平八郎の鯉画が入賞し皇室お買い上げとなったのが、大正博の7年後のことですので、この時期鯉という存在が大きくクローズアップされていたのかもしれませんね。

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第57回全日鱗国際展の特別賞は「べっ甲」

昨年中止になった愛鱗会の国際品評会ですが、去年予定されていたべっ甲が今年もそのまま特別賞となっています。

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画像:全日本愛鱗会

なお、第56回は中止となり、繰り越さずに今年は第57回となっているようです。
昨年同様、長岡品評会→新潟県農業祭→全日鱗国際という主要大会連続出品もかなうとうれしいです。また全日本が新潟開催となれば、若鯉サイズオーバーの大型魚はすべて新潟で出せるということになるかもしれません。

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第52回全日本総合錦鯉品評会は“新潟大会”に!?

※本情報は2021年4月29日時点のものです。最新の情報をご確認ください。

例年東京の流通センターで開催されている全日本総合錦鯉品評会が、次回は日程・場所とも変更になり、今年12月に新潟市の産業振興センターで行われるという情報が入っています。

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参照:新潟市産業振興センター


これが本決まりになれば、今度の東京大会は新潟大会となり、新潟地方の生産者さんからの全日本出品もかなり増えるのではないかと思いますし、非常に楽しみです。

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国際幼魚 種別優秀賞獲得

2年ぶりに開催された国際錦鯉幼魚品評会で、所有鯉が種別優秀賞を獲得してくれました。若鯉大会で次席だったのでサイズが合う今回は期待していたのですが、出品者を大変な状況にある外国の友人名義にしたので、ベストインエントリーも飾ることができました。

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一昨年の12月だったか成田さんのライブ鯉で購入したものですが、これが勝つと思って結構競りました。去年(2020年)の東京大会ではみやたけさん取扱の兄弟鯉に勝って優勝、1枚鱗が飛んでいたので「もしあれがなかったら上あがったかもな」と内心思っていたので、今回は心底うれしいです。

それにしても、1年ぶりに見ましたが本当にきれいに仕上がっていたので、成田さんと山本さんの凄さをまざまざと見せつけられました。
これで、2019年から雅賞+雅賞+種別と、所有鯉が3期連続で上位入賞を果たしてくれたので良かったです。
来季は大きいサイズで賞を狙っていきたいと思います。

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東京大会中止に思うこと

楽しみにしていた全日本総合錦鯉品評会が中止となりました。
出品依頼の招待状も届いていましたし、並々ならぬ意気込みでもって開催を予定しているのだと思っていただけに、残念でなりません。

私も本命の鯉が昨年の若鯉大会以降の中止によりお披露目できず、東京大会の中止により結局品評会に出せずに終わりそうですし、その他にも大きな期待を寄せていた鯉が数本いただけに、せめて今回だけでも…という思いにもなりました。

f:id:KOISHOWJP:20210122155302j:plain↑個人的には3年連続雅賞受賞が断たれましたが、条件はみんな同じですからね


ただ、新潟の生産者さんの中には品評会はやってほしいけど、東京に行くのがいやだという声も聞かれましたし、コロナ感染者がまったくと言っていいほど出ていない錦鯉の生産地ですので(長岡市内は出ています)、長岡に帰ってきたらまずホテルで2週間隔離なんて話さえ聞かれたほどです。

これで丸1年全国品評会が開催されなかったことになりますが、予定されている若鯉大会までまだ2ヶ月ありますので、どんな形になるにしてもなるべく不満が最小限で済むような方法を模索して頂けるよう願っております。


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錦鯉が水槽飼育に向かない理由とは? (終)

前回のつづきです。
国内ではブームが去って久しい錦鯉ですが、今後新たに国内で飼う人を増やすならやはり水槽飼育しかないように思います(池を持つ慣習を復活させることを除けば)。
やり様はいくつもあると思うのです。たとえば、濾過槽付きのFRP水槽をもっと安くする(笑)、水槽飼育用の配合飼料を販売する(要は水が究極的に汚れにくい)、新潟県は各都道府県のハブ駅に水槽と錦鯉を寄付して展示、ニッソーが透明素材でできた中が見える上部フィルターと、洗浄しやすくろ過効果が抜群に高いろ材を開発・販売などと、夢のようなアイデアだけは思いつきます(笑)。

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30㎝くらいの鯉を大きめの水槽に入れて飼うと、芸術品を眺めながら生活しているような気分に浸れます


でもFacebookなどでは、めだかや金魚などのコミュニティは結構盛んで若い世代の人たちも飼育談義に熱心なのに、錦鯉だけそういったものがないのは残念に思います。そうこうしているうちに、品評会は外国人出品者だけになり、国内から愛好家がいなくなって、次第に錦鯉文化が衰退していってしまうのではないかと危惧します(おそらくそう感じている方は多いでしょう)。

さて、また話が逸れてしまいましたが、以前大規模な鯉屋さんから14㎝ぐらいのプラチナを買いました。ところがその子はいつまで経っても大きくならずサイズが同じままだったのです。それをある時その鯉屋のスタッフの方にお話ししたら、「たぶん、それ(買ったとき)当歳じゃないですよ」と笑ったのです。
よく食べるし元気だし、おかしいなと思っていたのですが、実は大きくならない個体だったんですね。

ですので、養鯉場にお願いして、そういう個体ばかり集めて飼うという手もあるかもしれません。まあ普通に食べるので、フン自体が減るわけではないですが、小さいままというのは水槽のキャパシティを考えると良いかもしれません。あるいは、締め飼いされた個体も、伸ばせば多年魚になっても大きくはなりますが、もともと大きくしない方が良いと思って締め飼いされることが多いと思うので、さほど大きくならないのが多いのだと思います。

つまり、最初に挙げたネックとなる5つの課題も工夫によってクリアし、なるべく大きくならなそうな個体を買い、なるべく水の汚れない飼料を使い(咲ひかり低水温などでしょうか)、ひたすらろ材を洗う(笑)。これによって、環境が悪くても水槽で錦鯉が十分飼えるのではないかと思うのです。

まあ今回のような内容だけでは根本的な解決にはなりませんが、水槽飼育から興味を持って池を持つようになる人も当然いると思いますので、もう少し横見の鯉の話題がほしいところです。


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